「RSA CONFERENCE JAPAN 2006」の展示会場では,市販されるプロダクトの展示以外に開発段階のセキュリティ技術の参考出展やデモもいくつか行われていた。その中で目立ったのがNTTエレクトロニクスが参考出展していた暗号化用LSI「Camellia LSI」だ。

 Camellia LSIは,NTTが開発した共通鍵暗号アルゴリズムのCamellia」(カメリア)の暗号化/復号処理用の専用チップ。最大の特徴は,パッケージ・サイズが8mm角(1円玉上に四つ載せられる大きさ)と非常に小さく,また消費電力も最大0.3Wととても少ない点。それでいながら200Mビット/秒のスループットで暗号化処理が行えるという。

 同社によれば,「米国の標準暗号AESでは,暗号化と復号に別の回路が必要なため,最低でもこの2倍ほどのチップ・サイズになってしまう。消費電力やパフォーマンスの面でもCamellia LSIに大きく分がある」(NTTエレクトロニクスの青柳雅至BBシステム・デバイス事業本部営業統括部担当部長)という。

 用途としては,VPN機器やルーターなど一般的なネットワーク機器への搭載も考えられるとしながらも,通信する両側の機器でCamelliaを使えないと意味がないことから,当面は例えばPOSシステムやセットトップ・ボックス,小型携帯情報端末など主にシステム単位で導入する製品への搭載を見込んでいるという。