NTTドコモは,自社の携帯電話ユーザーを対象とした独自のクレジット決済サービス「DCMX MiNi」を2006年4月28日に開始した。この新サービスは,NTTドコモが2005年12月に運用を始めた非接触ICカード技術「モバイルFeliCa」に対応する携帯電話機を対象とした決済プラットフォーム「iD」を使って提供している。ユーザーが1カ月に使える金額を最大1万円に設定しており,コンビニなどでの少額決済市場をターゲットにしている。

 NTTドコモは提携先の三井住友カードなどを通じて加盟店の開拓を進めており,2006年末には約10万店,2007年3月末には約15万店でiD対応の決済サービスを使えるようにする計画である。同社はこの決済サービスを切り札として,契約する携帯電話事業者を変えても同じ番号を使えるようになる,今秋の携帯電話の番号ポータビリティ制度導入後の事業者間競争を乗り切る構えである。

 こうしたNTTドコモの動きに対して,携帯電話サービスで競合するKDDIが対抗姿勢を強めている。KDDIはまず,日本企業としてクレジットカードの国際ブランド展開を進めるジェーシービー(JCB)と手を組んで,自社の携帯電話機をJCBが開発したFeliCa対応の少額決済方式「QUICPay」に対応させる方針だ(詳細は日経ニューメディア2006年5月1日号に掲載)。