NTT西日本は4月27日,集合住宅向けのFTTH(fiber to the home)サービス「フレッツ・光プレミアム マンションタイプ」の新メニュー「ひかり配線方式」を発表した。集合住宅内の配線もすべて光ファイバで提供する追加メニューである。5月1日から申し込み受付を開始する。

 NTT西日本の既存の集合住宅向けFTTHには,VDSL(very high-bit-rate digital subscriber line)モデムと電話線で配線する「VDSL方式」と,LANスイッチとUTP(unshielded twisted pair)ケーブルを組み合わせる「LAN方式」の2種類がある。

 ともに光ファイバが曲げに弱く,集合住宅内での配線が難しいために採用した方式だが,欠点もある。VDSL方式であれば集合住宅内の共有スペースにVDSL集合装置を設置し,装置用の電源を確保しなければならない。LAN方式もLANケーブルを終端する集合型の回線終端装置の設置が必要になる。

 ひかり配線方式は,各家庭まで光ファイバを敷設するため,配線用装置の設置スペースや電源が必要ない。途中に機器を介さないため,通信の安定性の向上も期待できる。ただし,光ファイバによる配線の難しさを抜本的に解決したメニューではない。このため当面は,新築の集合住宅向けと言えそうだ。

 通信料金は,同一の集合住宅で16人以上のユーザーが見込める場合が月額2730円。このほか,回線終端装置利用料が同945円と,インターネット接続事業者(プロバイダ)各社のインターネット接続料が別途かかる。