毎日新聞社は4月27日,関係会社「毎日開発センター」から6万5690人分の個人情報がインターネット上に流出したと発表した。流出したのは,毎日開発センターが運営する会員組織「毎日フレンド」の昨年10月時点の会員名簿。名簿には名前,住所,電話番号,生年月日,趣味などが含まれている。会員組織自体は今年3月末で終了していた。このほか,東京本社管内の販売店データ(約2200の店名や住所,電話番号など)も流出したが,「もともと公になっている情報」(毎日新聞社)とする。

 情報流出の原因は,毎日開発センターの社員によるファイル交換ソフトの利用。男性社員がデータを自宅に持ち帰って私用のパソコンで作業した。そのパソコンにファイル交換ソフト「Share」がインストールしてあり,暴露ウイルスに感染して情報が漏れた。社員のパソコンにはWinnyもインストールしてあったが,「Winnyを介した情報の流出は今のところ確認されていない」(毎日新聞社)という。

 毎日新聞社は「業務でのファイル交換ソフトの使用を今春から禁止していたが,このような事態になってしまった。会員全員に連絡を取り,流出の事実をお知らせするとともに,お詫びする。また問い合わせ窓口(0120-312196)を設け,24時間体制で対応する。さらに個人情報保護の徹底を,全社員,関連会社に改めて指示するとともに,再発防止策を講じていく」としている。

 Shareは「シェア」や「シャレ」と呼ばれ,Winnyと同様に映画や音楽などのファイルを交換できるソフト。セキュリティの専門家によると「Shareは匿名性が高く,ユーザーがWinnyからShareに乗り換える動きが進んでいる」という。Winnyに特化した対策を実施しても事は済まず,第2,第3のWinny騒動が起こる可能性がある。対策の抜本的な見直しが必要になってきた。