米マイクロソフトは2006年4月25日(米国時間)、マイクロソフト・リサーチで開発された技術を手がける新会社「ワロップ」の設立を発表した。「Wallop」というSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)技術を利用した事業を展開する。マイクロソフトが2005年5月に開始した、起業家や新興企業に自社の技術をライセンス供与する「Microsoft IP Ventures」というプログラムによって実現したもの。起業家として豊富な経験を持つカール・ヤコブ氏がCEOを務める。

 Wallopは、2006年の終わりにサービスを開始する予定。既存のSNSに存在する問題を解決し、次世代のコミュニケーション環境を構築することを目指している。例えば現在のSNSでは、現実世界のような方法で他人とコミュニケーションするのは難しい。Wallopは、これまでにないユーザーインタフェースを導入し、ユーザーが新たな方法で自分を表現できる方法を用意するという。またWallopは、“友達の友達”という関係性を重視する既存のSNSとは一線を画す。独自のアルゴリズムを用いて、ユーザー同士のネットワークを自動的に構築する。

 この技術は、マイクロソフト・リサーチのソーシャル・コンピューティング・グループで開発されていたもの。画面などを同グループのページで確認できる。ユーザー同士の関係を蜘蛛の糸のような線で表現するなど、斬新なデザインを採用している。デザインに関しては、初期のマッキントッシュのデザインに携わったことなどで知られる米フロッグ・デザイン社とも協力している。