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 SAPジャパンは4月25日、同社初のASPサービス「SAP CRM On-Demand」の提供開始を発表した。同社の営業支援/CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)ソフト「mySAP CRM」に、できる限り変更を加えずサービス仕立てにした。システムへの投資判断や導入に時間を割けないユーザー向けの選択肢として開発したという。当面は直販で、1年間に10社のユーザー獲得を目指す。提案や契約はSAPジャパンが行うが、実際のサービスは独SAPのホスティング子会社であるSAP Hostingが、米国やドイツのデータセンターで提供する。価格は月額8400円(標準ユーザー)または1万4000円(エンタープライズユーザー)。

 営業や顧客管理業務向けのASPとしてはセールスフォース・ドットコムが有名だが、SAPのターゲットは異なるという。「既存のASPサービスの多くは、ユーザー数20人程度か、それ以下をターゲットとしているが、SAP CRM On-Demandのターゲットは、ユーザー数100人程度またはそれ以上。従業員で言えば500人程度以上」と、三村真宗バイスプレジデントストラテジックソリューション営業本部長(写真)は語る。

 現在の主な機能は、営業管理およびマーケティング支援だが、2006年7月には保守やコンタクトセンター向けの機能を追加する。10月には営業/マーケティング、保守、コンタクトセンターの各業務向け機能をさらに強化する予定だ。間接販売については現在仕込み中。ビジネスモデルを設計している段階というが、年内に開始できるかどうかは未定という。

 三村バイスプレジデントは「将来的にはパッケージ導入とASPの売り上げ比率は9:1ぐらいになるのではないか」とみる。mySAP CRMのユーザー数は世界で3万2200社以上、日本では1300社以上。単純計算では、少なくともこの10分の1程度を獲得できる見込みだ。