写真 「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会」第7回会合の様子
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 総務省は4月25日,「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会」(番号研究会)の第7回会合を開催した(写真)。番号研究会は,4月11日に同ワーキンググループが策定したFMC用電話番号などの報告書案(関連記事)を了承。4月27日から1カ月間,広く一般から意見を募集するパブリック・コメント手続きを経て,6月中に報告書として確定する。

 番号研究会が了承したのは次の4点。(1)固定通信と携帯通信が融合したサービスであるFMC(fixed mobile convergence)用の新規電話番号に「060」番号を使うこと,(2)通信事業者の競争上の観点から,FTTHサービスの営業用電話番号として「116」など3けたの1XY番号ではなく,フリーダイヤルなどの着信課金サービス用番号を用いること,(3)市町村や都道府県への行政用問い合わせ番号として,天気予報の「177」のような3けたの番号を付与すること,(4)加入電話網からSkypeなどのインターネット電話への転送は,いったんゲートウエイに着信させガイダンスを流す。こうすることでインターネット経由となることを発信者に告知すること,である。

 (1)のFMC用の電話番号は060だけでなく,IP電話で使う「050」,携帯電話で用いる「080/090」,PHSの「070」も使えることを併記。ただし,携帯電話やPHSの番号を使う場合は,着信先に応じた安価な料金を課すことを前提とした。また,「03」などの0AB~J番号は現時点ではFMC用として適当ではない,としながらも,今後の利用者の意識の変化などによって,必要に応じて再検討するとした。

 (2)の116番号はNTT東西が同社のFTTHサービスの営業にかかわるもの。「Bフレッツ」などの営業用番号として116番を広告に使わないことなども報告書案には記載された。

 (3)の行政サービス用の3けた番号付与は,コール・センターを設ける横浜市からの要望で実現したもの。横浜市以外の自治体も行政サービス用のコール・センター設置を進めており,利用者の利便性や公共性などの観点から,3けたの1XY番号が適当とされた。具体的には「17」から始まる17Y番号が採用される予定である。

 (4)のインターネット電話への転送は,既にスカイプ・テクノロジーズやフュージョン・コミュニケーションズが050番号を使った試験サービスを実施中で,これらを追認する形となる。

 今回の番号研究会は,上記の報告書を取りまとめていったん役割を終える。座長を務めた齊藤忠夫東京大学名誉教授は,電話番号の役割が事業者のサービスにも直結するようになり,今後も重要度が増すことなどを挙げ,「番号研究会を,常設の審議会的なものにすることも考えられるのではないか」とコメント。4月27日に一般公開される報告書案には,今後の番号研究会の在り方が付記されることになった。