来日した米MicrosoftのBill Gates会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクト
来日した米MicrosoftのBill Gates会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクト
[画像のクリックで拡大表示]
imageX(従来Ximageと呼んでいたもの)でディスク・イメージを作成するデモの画面
imageX(従来Ximageと呼んでいたもの)でディスク・イメージを作成するデモの画面
[画像のクリックで拡大表示]
BDD Workbenchでディスク・イメージを展開するデモの画面
BDD Workbenchでディスク・イメージを展開するデモの画面
[画像のクリックで拡大表示]

 マイクロソフトは,Bill Gates会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトの来日記者会見と次期Windows「Windows Vista」の説明会を4月21日に都内で開催した。Windows Vistaはボリューム・ライセンス・プログラムを通じて企業向けには2006年11月から出荷を開始するほか,一般消費者向け製品やパッケージ製品を2007年1月から提供する予定。この5~6月までに一般消費者を含めた広範囲にベータ版を配布し,以後は定期的に中間ビルドをテスターへ提供しつつ製品として完成させる。

 日本向けには一般消費者向け3製品(Windows Vista Home Basic,同Home Premium,同Ultimate)と企業向け2製品(Windows Vista Business,同Enterprise)を用意する。企業向けのVista BusinessはPCなどにプリインストールして広く企業に販売される製品。Vista Enterpriseは,Vista Businessのすべての機能を備えた上で,仮想マシン・ソフトVirtual PC Express,ディスク全体の暗号化機能,多言語UI対応などの機能を追加したもの。ボリューム・ライセンス・プログラムのSA(ソフトウエア・アシュアランス)購入企業向けに用意される。

 発表会では,企業向けWindows Vistaに関して「ポリシーによるUSBメモリーの利用禁止」「imageXによるOSやアプリケーションのPCへの展開」「Windows BitLocker Drive Encryption」という三つの機能をデモした。

 「ポリシーによるUSBメモリーの利用禁止」は,Windowsに備わるグループ・ポリシーの強化によってUSBメモリーの利用をPCで容易に禁止できるというもの。これまではレジストリで設定する必要があったが,VistaではGUIメニューから設定できる。

 「imageXによるOSやアプリケーションのPCへの展開」では,ひな型となるPCのディスク・イメージを簡単に作成して,多数のPCへ配布できるようになる。imageX(従来Ximageと呼んでいたもの)はWIM(Windows Imaging Format)形式のディスク・イメージ作成ツール。Vistaが標準装備しており追加ツールが不要になる。またVistaに対応してアップグレードされるBusiness Desktop Deployment Workbench(BDD Workbench)という無償配布のツールを使うと,ひな型にしたディスク・イメージを多数のPCへ容易に展開できる。ひな型イメージを展開したあと,ソフトウエア更新プログラムや個別に必要なアプリケーションを追加することも可能である。

 「Windows BitLocker Drive Encryption」はディスク全体を暗号化する機能でVista Enterpriseに備わる。暗号化キーをTPM(Trusted Platform Module)という専用のチップやUSBメモリーに格納する。キーを格納したUSBメモリーを外すとPCの起動もできなくなる。