三井物産は4月21日，米国のベンチャー企業であるA10ネットワークスと総販売代理店契約を締結，同社のID統合管理ツール「IDSentrie 1000」を子会社の物産ネットワークスを通じて国内販売すると発表した。「日本版SOX法が要求する内部統制を実現しやすくする製品として売り込む」（小川真二郎・常務執行役員情報産業本部長)。
IDSentrie 1000は，ID/パスワードを使った認証作業やユーザー管理を容易にする装置。例えば，ユーザーID単位でネットワークの利用状況を把握し，悪意を持つユーザーの不正アクセスを早期に発見する用途に役立つ。
具体的には，IPアドレスや端末のMAC（媒体アクセス制御）アドレスを基にユーザーIDを生成。他社ファイアウォールのログ情報を取得し，ログに記載されたIPアドレスと，IDSentrieが生成したIDを対応付ける。これにより，IDごとにネットワーク上のふるまいを簡単に把握できる。
既存のLDAPサーバーやActive Directoryなどのプロキシとして，IDSentrieを動作させることも可能。各サーバーのIDの同期を取り，IDSentrieで一元的に管理できるようになる。情報システム管理者のID/パスワードの管理負荷を減らすことにもつながる。
このほか，ユーザーがID/パスワードを忘れてしまった際に，自らID/パスワードを削除・再生成させるインタフェースも用意する。ユーザーがシステム管理者に問い合わせ，管理者がID/パスワードを再生成する手間を省く。
国内での価格はオープンだが，参考価格は350万円（税抜き）。
A10ネットワークスは，LAN機器メーカー大手の米ファウンドリー・ネットワークスの共同設立者だったリー・チェン氏が2004年に設立した企業。
