米アドビ システムズのブルース・チゼンCEO
米アドビ システムズのブルース・チゼンCEO
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 アドビ システムズは2006年4月21日、米アドビ システムズの2006年度第1四半期(2005年12月3日~2006年3月3日)の業績報告、および今後の事業戦略について説明した。

 米アドビ社の2006年第1四半期の売上高は、創業以来最高となる6億5550万ドル(前年同期比39%増)。マクロメディア買収による相乗効果に加え、プロ向けデザインツール「Creative Suite」やPDF作成ソフト「Acrobat」の好調な伸びが業績を牽引した。一方、営業利益は1億3000万ドル(前年同期比24%減)、純利益は1億510万ドル(同31%減)と減益。マクロメディア買収費用を計上した結果が反映された。

 今後の事業戦略について、米アドビ システムズのブルース・チゼンCEOは「PDFの高い信頼性とセキュリティに、Flashのアニメーションやビデオ機能を加えれば、より魅力的な表現ができる」と語り、2006年末までにPDFとFlashを統合することを明らかにした。製品形態は明らかではないが、PDFとFlashの両方に対応しながらHTML機能も取り込んだプレーヤーが出てくる模様だ。

 「アドビユーザーの多くはMacintoshユーザー。インテルマックでパフォーマンスが向上するのは良いこと」と、インテルCPUを搭載したMacintosh向けの製品にも力を注ぐ。2006年秋に発売予定の「Acrobat 8」、来春発売予定の次期「Photoshop」や「Creative Suite」でインテルマックにネイティブ対応する予定だ。

 日本市場に対しては、「モバイル戦略が極めて重要な市場と見ている。モバイルインフラは、世界的に見て日本はかなり進んでいる。現在は携帯キャリアや端末メーカーと提携しながら、自社プラットフォームの実装に取り組んいる。これによって、豊富なコンテンツがより魅力的な形で、携帯端末に配信できるようになる」と説明した。