写真 「広帯域移動無線アクセスシステム委員会 技術的条件作業班」第2回会合の様子
写真 「広帯域移動無線アクセスシステム委員会 技術的条件作業班」第2回会合の様子
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 総務省は4月21日,「広帯域移動無線アクセスシステム委員会 技術的条件作業班」の第2回会合を開催した(写真)。第1回会合を受け(関連記事),KDDIを取りまとめ役とするWiMAX検討グループのほか,京セラ,クアルコムジャパン,ウィルコムの各社が,各通信方式の最大伝送速度や周波数利用効率などの基礎データを提供した。

 この基礎データについて,作業班の議論は白熱。IEEE 802.16eおよび同16-2004に基づくWiMAX陣営と,IEEE 802.20に基づく方式を推進するクアルコムが,互いの算出パラメータなどを巡って意見を戦わせる場面も見られた。途中,作業班の主査を務める電波産業会の若尾正義・専務理事は,「各方式が条件を満たしているかどうかを検討する場であって,方式の優劣を決定する場ではない」と場を落ち着かせることもあった。

 今回各社が提出した基礎情報は,2005年12月に「ワイヤレスブロードバンド推進研究会」がまとめた最終報告書案に基づく要求条件をクリアするかどうかを検討するためのもの。要求条件は,データ伝送速度が下り最大20M~30Mビット/秒以上,上り最大10Mビット秒/以上,周波数利用効率は0.8ビット/秒/Hz以上となっている。最大伝送速度の評価は,帯域幅10MHzを利用した際のTDD(time division duplex)方式で検討。MIMO(multiple-input multiple-output)やSDMA(space division multiple access)などの空間多重伝送技術は適用しない。なお,今回各社が作業班に提出した基礎データは,いずれも要求条件を満たしていた。

 次回の会合は5月16日に開催予定。各技術方式および2.5GHz帯に隣接する衛星システム(モバイル放送やN-STAR)とのガードバンド幅を検討する。