東京証券取引所は4月24日から、株式などの取引市場について、午後の立会開始時刻を12時30分に戻す。取引時間を正常化することで、注文・約定件数は増えるが、「現在の注文・約定件数の実績からすると、短縮措置の解除による増加を見込んでも、システム処理能力には余力がある」(東証)と判断した。

 東証の最近の約定件数は200万~300万件で推移している。注文件数は500万~550万件程度である。東証は1月、株式の約定処理をさばく清算システムを増強し、1日当たりの約定処理件数を450万件から500万件に上げた。さらに5月には、清算システムの約定処理能力を1日当たり700万件まで引き上げる。注文システムの能力も5月に同900万件から1200万件に増強しており、2006年には1400万件へ増強する予定だ。

 ただし、5月のシステム増強が完了するまでは、取扱件数が一定数を超えた際に株式などの全銘柄を売買停止にする緊急処置は継続する。「1日の約定件数が450万件に達した」、あるいは「注文件数が850万件になった」が条件で、投資家や証券会社などにはWebサイトで通知を出すなど、事前に売買停止することを知らせる。

 ライブドア事件などの影響で1月18日に取引が集中したことで東証は、翌日から午後の立会開始時刻を13時に繰り下げ、1日の取引時間を30分短縮する措置を取ってきた。ライブドア事件などに起因する取引の増加は一段落しており、「ライブドア株式の上場廃止後の状況をみても、件数の推移に大きな変化は見らない」(東証)という。