KDDI,ソフトバンク,NTT東西地域会社など10社は2006年4月19日に,IPマルチキャスト技術を使ってテレビ受像機向けに放送サービスを提供する「有線役務利用放送」におけるコンテンツ流通の促進を目指す業界団体「役務利用放送協議会」を設立した。また協議会は同日,竹中平蔵総務相に対して設立を報告するとともに「有線役務利用放送を著作権法上の放送として扱えるように2006年中に措置してほしい」とする要望書を提出した。

 協議会にはKDDIとソフトバンク,NTT東西のほか,アイキャスト,オン・デマンド・ティービー,オンラインティーヴィ,クラビット,ビー・ビー・ケーブル,ぷららネットワークスが参加した。会長には齊藤忠夫・東京大学名誉教授が着任した。同協議会の参加事業者は今後,(1)有線役務利用放送の著作権法上の位置付けの見直しに向けた関係省庁への働きかけ,(2)著作権管理団体との間の円滑な権利処理ルールの策定,(3)IPマルチキャストを使った地上デジタル放送などの再送信における放送事業者との技術基準・運用基準の調整――といった活動を共同で展開していく計画である。