ストレージ・ソフト・ベンダーのファルコンストア・ジャパンは4月19日,Windows用の常時データ保護(CDP,Continuous Data Protection)ソフト「IPStor DiskSafe v3.5」を発表した。Windowsのディスク・ボリュームを,サーバーに常時レプリケーションするソフト。変更があったブロックだけを転送するので,ネットワーク帯域に負荷がかからず,ファイルの変更履歴をたくさん保持できる。価格はバックアップ対象1台当たり3万5800円からで,他にサーバー・ソフトウエア(WindowsまたはLinux対応)が必要。

 ファルコンストア・ジャパンは,LinuxサーバーやWindowsサーバーをiSCSI用の高性能ストレージにする仮想ストレージ・ソフト「IPStor(Linux用)」「iSCSI Storage Server(Windows用)」のベンダーである。今回発表したDiskSafeは,IPStorが備えるレプリケーション機能をバックアップ用途に転用したソフトである。DiskSafeのエージェント・ソフトをインストールしたWindowsクライアント/サーバーのディスク・ボリュームを,IPStor/iSCSI Serverにレプリケーションする。データは常に最新のものが複製されているので,Windowsクライアント/サーバーに障害が起きた場合でも,その障害が起きる直前のデータまで保護される。このようなデータ保護技術を「常時データ保護(CDP)」と呼ぶ。

 DiskSafeでは,ディスク・ボリュームをただ複製するだけでなく,変更履歴も保存している。そのため,最新のファイルだけでなく,任意の時点のファイルも復元できる。変更履歴はIPStor/iSCSI Serverにおいて,ファイル単位ではなくブロック単位で管理しているので,複数世代のファイルを保管していても,IPStor/iSCSI Storage Server側のディスク消費量はそう大きくならない。

 DiskSafeを使用するためには,データを保護したいマシンごとにエージェント・ソフトが必要であるほか,IPStorまたはiSCSI Storage Serverを搭載したサーバーが必要である。エージェント・ソフトは,スナップショット機能付きのものと,スナップショット機能がないものの2種類がある。スナップショット機能が付いているものでは,OracleやSQL Serverなどのデータベースの整合性がとれたバックアップ(レプリケーション)が可能になる。スナップショット機能がない場合は,ファイル・レベルでのみ整合性が保たれる。

 スナップショット機能付きのエージェント・ソフトの価格は,Windows 2000/XP用が6万8000円,Windowsサーバーの「Standard Edition」用が36万円,Windowsサーバーの「Enterprise Edition」用が55万円,Windowsサーバーの「Datacenter Server」用が88万円。

 スナップショット機能がないエージェント・ソフトの価格は,Windows 2000/XP用が3万5800円,Windowsサーバーの「Standard Edition」用が18万8000円,Windowsサーバーの「Enterprise Edition」用が36万8000円。

 なおIPStorの価格は250万円,iSCSI Storage Serverの価格は36万8000円である。ファルコンストアでは5月までに,LinuxサーバーにIPStorをあらかじめインストールした「CDPアプライアンス・サーバー」を400万~500万円の価格帯で販売するほか,低価格Windowsサーバーのベンダーと協力して,iSCSI Storage Serverの拡販にも乗り出すとしている。