富士通は2006年4月以降、システム開発の標準化や効率化を推進するためのシステム構築基盤「TRIOLE」のカバー業務を順次広げる。これまでのシステム開発だけでなく、提案や設計、あるいは稼働後の運用や評価・分析といった作業を対象に効率化や標準化を進める。「ビジネスの変化に合わせたシステム修整の設計を素早く実施するといった要求にこたえる」(三津濱元一プラットフォームソリューションセンター プロジェクト統括部長)のが目的だ。

 同社はこれまでに、例えば、顧客の要件に基づいて最適なハードやネットワークの構成を自動的に導き出す「TRIOLE System Organizer」や、システム開発のライフサイクルを管理する「TRIOLE Service Management Framework」を構築してきた。2005年度までに、TRIOLEを使うことでシステム開発作業の標準化や効率化は「かなり進んだ」(プラットフォームソリューションセンターの田中隆一センター長代理)という。しかし最近は、構築したシステムをそのまま使い続けることの方が少なく、「稼働後のシステムを運用・監視して、問題がないかどうかを分析していく必要が高まってきた」(同)。

 富士通は2003年から、TRIOLEを利用したシステム開発の標準化に取り組んできた。具体的には、オープン系のハードウエアやソフトウエアを組み合わせて業種別のテンプレートを構築することで、システムの動作検証を事前に済ませたり、開発期間を短縮したりするなどだ。しかし、三津濱統括部長は、「情報システムの提案・設計や開発・運用といった作業は、コンピュータを対象にした仕事にも関わらず、きちんと論理的に進められているとは言い難い。IT業界は反省・改善する必要がある」と話す。