カブドットコム証券は4月17日、福岡県に事業拠点を新設したと発表した。災害時でも事業を継続できるようにするのが目的で、今後3年間に約50億円を投じ、災害時には福岡で本社機能を完全に代替できるようにする。まずはこの4月末までに勘定系データベース・システムの災害復旧基盤を整備し、9月末までにすべての災害復旧対策を完了する予定だ。福岡県と本社のある東京は約1000キロの距離があることから、同時被災する危険性が低いと判断した。

 同社が設立したのは、「福岡システムセンター」。九州電力の情報システム子会社、キューデンインフォコム(QIC)が提供するインターネット・データセンターを利用する。東京・福岡間の通信回線は、日本テレコムの専用線を主回線とし、QICのVPNネットワークをバックアップ回線に利用する。いずれも通信速度は1ギガビット/秒である。システム構築は伊藤忠テクノサイエンス(CTC)が請け負った。

 カブドットコム証券は、事業継続計画(BCP)の基本方針として「障害発生から30分以内でシステムを復旧すること」および「障害発生から5分以内のデータを復旧すること」を目標としている。福岡システムセンターを使った災害時のシステムの切り替えにおいても、これらの目標を達成できるとしている。