Flex Builder 2
Flex Builder 2
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 アドビシステムズは,現在はベータ版を配布中で2006年夏に出荷を予定しているFlashベースのリッチ・クライアント開発環境の新版「Flex 2.0」のデモを2006年4月14日に実施した。統合開発環境のEclipseを開発に使ってみせたほか,AjaxとFlashを融合させたクライアント画面を見せた。開発ツール「Flex Builder 2」の価格は1000ドル以下。開発会社は,米Adobe Systemsが買収した米Macromedia。

 Flex Builder 2は,リッチ・クライアントをFlash(SWFファイル)として実装し,運用するための開発ツールである。Flashとして実装したクライアントを動作させるためにクライアントPC側で必要なソフトは,無償で配布しているFlash Player 8.5だけ。クライアントの通信相手となるサーバーはJavaアプリケーション・サーバー(Servletコンテナ)。HTTPまたはストリーミング用プロトコルであるRTMPで通信する。Webサービスのスタブやメッセージ同期機能といった,サーバー側の機能を拡張するソフト部品「Flex Data Services 2」も用意した。

 Flex Builder 2は,XMLベースのアプリケーション画面開発言語「MXML」と,MXMLに埋め込むなどして使う,ECMAスクリプト準拠のロジック記述用スクリプト言語「ActionScript」を開発するためのツールである。SWFファイルを出力する。スクリプトの記述とビジュアル開発の2-Way開発が可能であり,デザイン画面とコードのいずれか一方に変更を加えると,両方に変更が反映される。各種クラス・ライブラリも備える。

 2006年夏に出荷する新版のFlex Builder 2では,Java統合開発環境である「Eclipse」の画面内でMXMLとActionScriptのエディット,ビジュアル開発,SWFファイルの生成などが可能になった。最初からEclipseを含んだFlex Builder 2のほか,Eclipseのプラグインとして実装したFlex Builder 2を用意した。これにより,Webサイトの開発者は,Eclipseの環境から出ることなくサーバー環境とクライアント環境の両方を開発できる。