NTTデータは通称「日本版SOX法」の施行をにらみ,企業の内部統制強化を支援するサービスを4月13日から開始する。同日の記者会見で発表した。NTT(グループ持株会社)はニューヨーク証券取引所に上場しており,グループ全体で米SOX法(サーベインズ・オクスリー法)に向けた社内体制の整備を進めてきたという。NTTデータはこのノウハウをサービス化し,提供する。顧客として主に想定しているのは,多数の子会社・関連会社を傘下に置く大規模な企業グループである。

 同社のサービス・メニューは大きく,事前調査と統制体制の計画支援,業務プロセスの改革支援,システム構築の三つからなる。サービスの基本的な方針としては,まずグループ各社の業務プロセスについて,グループ内で標準化・集約化できる部分を抽出。そしてグループ内における各種コード体系をできる限り共通化し,情報システムで一元的にデータの流れをモニタリングできるようにする。「内部統制の仕組みの定着化を促すために,システムの運用プロセスの整備にまで踏み込む」(山口重樹法人ビジネス推進部長)という。

 同様のサービスは,日立製作所など他のシステム・インテグレータも乗り出している(関連記事)。NTTデータは差異化のために,NTTグループ企業が持つノウハウを組み合わせるという。まずは会計や人事などNTTグループの間接業務を担うNTTビジネスアソシエの業務知識や経験を借り受け,サービスの品質向上を狙う。

 「内部統制の強化には,企業グループ全体における業務の標準化や,システムにより会計データの動きを一元管理できるシェアード・サービス化が大きく寄与する。シェアード・サービスを手がけてきたNTTビジネスアソシエの経営資源が生きる」(岡野哲也法人ビジネス事業本部コンサルティングビジネスユニット部長)。

 NTTデータは内部統制の強化に関するコンサルティングを,すでに数件手がけているという。ここで得たノウハウもサービス・メニューに組み入れて提供する。