三菱東京UFJ銀行とKDDIが、新銀行の設立に向けた検討を進めていることを認めた。4月13日付の一部報道で、両社が来年にも携帯電話での決済に特化した銀行を設立すると報じられたことに対する本誌の問い合わせに、両社とも「正式に決まった事実は何もないが、様々な方向で検討を進めている」(広報)と回答した。

 新銀行は、KDDIが展開する「au」の利用者向けに、携帯電話での決済サービスを提供する。auの利用者があらかじめ新銀行に口座を開設していれば、携帯電話でECサイトなどにアクセスして代金を支払う際の操作を簡単に済ませられるようにする。

 一部報道では、新銀行は来年にも開業するとされているが、両社は「現時点では正式には決まっていない」(広報)と説明する。またauショップが銀行代理店業務を始める予定は「全くない」(KDDI広報)という。

 新銀行が独自の勘定系システムを構築するのか、それとも三菱東京UFJ銀行の勘定系システムを使うのか。新銀行のシステムとKDDIのシステムをどのように連携させるのか、といった点は、これから詳細を詰めていくとみられる。

 携帯電話での決済サービス強化を巡っては、3月にボーダフォンの買収を発表したソフトバンクと、同じく3月にジャパンネット銀行への資本参加を発表したヤフーが、携帯電話に銀行口座と連携できる機能を持たせるようなビジネスモデルを構築中である。