情報通信研究機構(NICT)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月7日,高度約600kmを周回するJAXAの実験衛星「きらり(OICETS)」と,東京都小金井市の地上局との間をレーザー光で結ぶ光通信実験に初めて成功したと発表した。

 実験は3月22日から3月31日に実施。3月31日には,地上局が4分44秒間,きらりを追尾し続けて双方向通信に成功した。

 光無線通信は,大気中に光信号を伝送する過程で減衰したり,ゆらぎの影響を受けたりするため,正しく伝送して通信するのが難しい。特に,きらりのように軌道速度が秒速約7kmと高速な周回衛星と双方向通信を実現し,大気による揺らぎの影響を実測できたのは世界規模で見ても極めて珍しいという。

 今回の実験の結果は,ビル間の光無線通信や,航空機など地上を飛ぶ物体との空間通信などへの応用が期待できる。なお,JAXAの理事長はNTTドコモの元社長である立川敬二氏。