写真1●島根県のホームページ。ふりがな(ルビ)を表示させた画面
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写真2●文字を拡大した画面
写真2●文字を拡大した画面
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写真3●弱視のユーザー向けに文字色を反転させた画面
写真3●弱視のユーザー向けに文字色を反転させた画面
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写真4●音声合成により生成したmp3ファイルをダウンロードしページを読み上げる
写真4●音声合成により生成したmp3ファイルをダウンロードしページを読み上げる
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 島根県は4月,同県の公式Webサイトをリニューアルしアクセシビリティを強化した。(1)音声合成による読み上げ,(2)ふりがなの表示,(3)文字の拡大,(4)文字色の反転(弱視のユーザー向け)をWebブラウザだけで行うことができる。新サイトは島根県に在住のまつもとゆきひろ氏が開発したオープンソース・ソフトウエアRubyで構築された。

 (1)読み上げ,(2)ふりがな,(3)文字拡大,(4)文字色反転は,ページ左肩にあるボタンを押すだけで行われ,表示設定はページを移動してもそのまま引き継がれる。「読み上げボタン」を押すと,音声合成により生成されたmp3ファイルがダウンロードされ,関連付けられたアプリケーションで自動的に再生される。

 島根県 広聴広報課 グループリーダー井上道子氏は「視力の弱いユーザーでも利用しやすいようにアクセシビリティを強化した。読み上げなどを可能にしている県のホームページはあるが,多くは専用ソフトウエアをダウンロードする必要がある。Webブラウザだけで読み上げができる県のホームページは初めてではないか」と話す。

 システムの開発は島根県のIT企業であるネットワーク応用通信研究所が担当し,オープンソースのオブジェクト指向言語RubyによるCMS(コンテンツ管理システム)上に構築した。Rubyはネットワーク応用通信研究所に在籍するまつもとゆきひろ氏が開発し,米国でも書籍が刊行され,カンファレンスも開催されるなど世界的に普及しており,プロジェクト管理サイトBasecampや,音声コンテンツの共有サービスODEOなど,Web 2.0的とされる多くのWebサイトで採用されている。

 音声合成には,東京大学などが開発しているオープンソースの擬人化音声対話エージェント研究開発プロジェクト「Galatea Project」の成果を利用している。