デジタル・ヘルス・グループのマライア・スコット氏。写真左は医療機関用のタブレットPC。右は家庭内での健康管理を担うコンセプトモデル
デジタル・ヘルス・グループのマライア・スコット氏。写真左は医療機関用のタブレットPC。右は家庭内での健康管理を担うコンセプトモデル
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診察情報を専用のタブレットPCに書き込むデモ
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 インテルは2006年4月6日、開発者向け会議「Intel Developer Forum(IDF) Japan」の技術講演で、「デジタルヘルス」をテーマに医療分野における新しい取り組みについて紹介した。

 講演者はデジタル・ヘルス・グループのパーソナルヘルス・プラットフォーム ジェネラル・マネージャー マライア・スコット氏。2005年の日本における医療費支出が年間32兆円と、GDPの8%にまで増大していることと、医療現場におけるIT化の遅れを引き合いに出し、ITの活用が効率化や質の向上をもたらすと語った。

 ITの活用例として、電子カルテを利用した診療情報のデータベース化や、情報端末を利用した診察を紹介。物体の識別に利用するRFIDタグを患者と薬に付けて投薬ミスの発生を防いだり、患者の居場所を確認したりするといったアイデアも説明した。

 家庭内での健康管理に関して、家庭向けの医療用パソコンのコンセプトモデルを紹介した。これは、パソコンに慣れていない高齢者でも簡単に操作できるように、タッチパネル式の液晶モニターを採用している。患者の体重や身長、脈拍、血圧など、計測したデータを入力すると、看護婦や医師にその健康情報が届けられる。液晶モニターの上部にはカメラを備えており、家庭にいながら診察を受けることもできるという。

 これ以外にも医療機関用の情報端末として、「ヘルスケアタブレットPC」を紹介した。血液がパソコンに付いても、水で拭き取れるように防水仕様を採用。診察結果をタブレットPCの画面に書き込んで病院内のデータベースに送ったり、処方せんの情報を直接薬剤師に送ったりできるという。

 スコット氏は医療分野に大きなビジネスチャンスがあると説明。医療システムなどの標準化が、今後は重要になると述べた。