冒頭の基調講演で登壇した、アナンド・チャンドラシーカ上席副社長兼セールス・マーケティング統括本部長。手にしているのはViiv対応パソコン
冒頭の基調講演で登壇した、アナンド・チャンドラシーカ上席副社長兼セールス・マーケティング統括本部長。手にしているのはViiv対応パソコン
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CPUコアを4つ備えるクアッドコアCPUを搭載したサーバーの動作デモ
CPUコアを4つ備えるクアッドコアCPUを搭載したサーバーの動作デモ
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 インテルは2006年4月6日、開発者向け会議「Intel Developer Forum(IDF) Japan」を開催した(期間は4月6、7日の2日間。場所は東京都港区の東京プリンスホテル パークタワー)。

 冒頭の基調講演では、アナンド・チャンドラシーカ上席副社長兼セールス・マーケティング統括本部長が「インテルビジョン」をテーマに登壇。今後の挑戦課題を「消費電力の低減」とし、携帯ノートやデスクトップ、サーバーを問わず、あらゆる分野で電力効率を重視していくと語った。

 講演の中では、CPUコアを1つしか持たない従来のシングルコアCPUに比べて、2つのCPUコアを搭載したデュアルコアCPUが、電力効率の点で優れていることを強調した。インテルの調査に基づく例によると、シングルコアCPUの動作周波数を20%高くした場合、性能が13%向上するのに対して消費電力は73%も増大するという。一方、動作周波数を20%低くした場合、性能は13%落ちるが消費電力を49%削減できるとしている。

 デュアルコアCPUを使った場合、動作周波数を20%下げてもシングルコアCPUの1.73倍の性能が発揮できるうえ、消費電力は1.02倍で済むとのこと。また電力効率を向上した次世代CPUとして、ノートパソコン向けの「Merom(メロム:開発コード名)」、デスクトップ用の「Conroe(コンロー)」、サーバー用の「Woodcrest(ウッドクレスト)」を紹介した。シングルコアCPUからデュアルコアCPUへの移行については、2006年6月に50%以上、2006年末には75%以上をデュアルコアCPUに移行する。

Merom搭載のVAIOを展示

 講演会場にはMeromを搭載したソニーのVAIOや、Conroeを搭載したデスクトップパソコンなどを並べた。Meromは既存の「Core Duo T2600」と比べて、消費電力を維持したまま性能が20%向上する見込み。Conroeと従来の「Pentium D 950(3.4GHz)」を比較すると、性能が40%向上する一方で、消費電力は40%減るという。ほかにも、CPUコアを4つ備えるクアッドコアCPUを搭載したサーバーもあり、国内では初となる動作デモも実施した。2007年初旬にはクアッドコアCPUを採用したサーバーを投入する。

 CPUの製造プロセスについては、現在の65nmから2007年後半には45nm、2009年には32nmに微細化する予定だ。45nmプロセス技術は65nmプロセスに比べて、性能比で20%、電力効率比で30%の向上を見込む。

 最後に、デュアルコアCPUやクアッドコアCPUの性能を十分に発揮するには、ソフトウエア側もマルチスレッド化に対応していることが重要であると指摘した。デモでは8つのスレッドを同時実行できるサーバーと対応ソフトを用意し、画像の描画テストを実施した。画像全体を横方向に8分割して同時に描画が始まるため、マルチスレッドに対応していないソフトに比べてはるかに短い時間で処理が済む。

 次世代の「Office」もマルチスレッドに対応する見込み。チャンドラシーカ氏はソフトウエア提供者に対し、マルチスレッド化への対応が進むことを期待していると述べた。