PCカード型のワイヤレスUSBインタフェース
PCカード型のワイヤレスUSBインタフェース
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 NECエレクトロニクスは,インテルが開催したユーザー向け技術展示会「インテル・デベロッパー・フォーラム Japan 2006」の展示会場で,USB接続の物理層に無線を利用するワイヤレスUSB装置のデモンストレーションを公開した。ワイヤレスUSB自体の展示は新しくはないが,今回新たに,パソコンでワイヤレスUSBを使う用途を狙い,PCカードにワイヤレスUSB機能を実装したインタフェース装置を出展した。

 展示していたデモの内容は,USB接続型のディスクをワイヤレスUSB経由でパソコンに接続し,ディスクに収録した映像を再生するというものであり,昨年4月にインテルが開催した「IDF Japan 2005」の展示ブースと同一のもの。これに対して,1年後の今回は,パソコン側に接続するインタフェース装置を進化させ,PCカード版のワイヤレスUSB装置を参考展示した。

 ワイヤレスUSBとは,パソコン周辺機器などのUSB接続機器を,USBケーブルを用いずに無線経由で接続する規格である。主なメリットは,ケーブルが要らなくなることによって機器の配置の自由度が高まることなどである。反対に,デメリットは,USBケーブルを経由した電源の供給ができなくなり,電源ケーブルが別途必要になるケースが生じる点である。

 また,デジタル・カメラのメモリ・ストレージから無線経由で画像を取り出すといった用途では,無線LANを用いてイーサネットやTCP/IPなどのプロトコルを実装するよりも,ワイヤレスUSBで接続したローカル・ストレージとして扱う方が,チップなどにかかるコストを削減できる。