ルネサス テクノロジはCEPCAの技術セミナーで,電力線通信事業への取り組み内容を明らかにした。
ルネサス テクノロジはCEPCAの技術セミナーで,電力線通信事業への取り組み内容を明らかにした。
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 日立製作所と三菱電機の合弁企業で半導体の開発・製造を手がけるルネサス テクノロジは4月5日,高速電力線通信の業界団体「CEPCA」(CE Powerline Communication Alliance)が開催した技術セミナーで,電力線通信用の半導体を開発したことを明らかにした(写真)。

 同社が開発中のチップと評価ボードは,最大400kビット/秒と他社に比べ低速だが,小型で消費電力が小さい特徴がある。今秋に電力線通信で解禁される予定の2M~30MHz帯のうち,他の無線システムが利用していない5つの周波数だけを通信に使う。照明や電動シャッター,煙探知機などの住宅設備や,エアコン,温水器,浴室乾燥機といった機器を制御するホーム・コントロール用途での利用を検討しているという。

 「同様の用途で家電向けの短距離無線通信規格の『ZigBee』を検討してきたが,消費電力が少ないために家庭内でも隣の部屋とは通信できないといった欠点があった」(事業戦略統括部の大垣健二担当部長)。電力線通信とZigBeeを組み合わせることで,家庭内でくまなくネットワークが構築できるようになる。「将来的には電力線通信とZigBeeのワンチップ化にも取り組む」(大垣担当部長)考えを明らかにした。