CEPCAの技術セミナーの様子。冒頭であいさつをするCEPCAの大坂幸夫代表。
CEPCAの技術セミナーの様子。冒頭であいさつをするCEPCAの大坂幸夫代表。
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 高速電力線通信の業界団体「CEPCA」(CE Powerline Communication Alliance)は4月5日,技術セミナーを開催し,異なる方式の電力線モデムの共存に関する仕様を初めて公開した。会場にはCEPCAのメンバー企業からの参加者50人を含む約160人が詰めかけた(写真)。

 今秋にも国内での利用が認めらるようになる電力線通信だが,同一の電力線上に異なる方式のモデムが存在すると,通信速度の低下が発生したり,最悪の場合には通信断が発生する。CEPCAは異なる方式のモデムの共存を目指す業界団体で,ソニー,松下電器産業,三菱電機の3社が中心となって,2005年6月に設立した。

 今回公開された共存仕様では,各家庭の入り口まで引き込む「アクセス系」と家庭内の機器をつなぐ「ホーム・ネットワーク」は周波数分割多重を使うとしている。ここでいうアクセス系には,屋外での利用(日本では認められない予定)と集合住宅での宅内配線の両方を含む。また,ホーム・ネットワーク内では時分割多重を使う。異なるメーカーのモデムを同期させるためには,AC電源線の「ゼロクロス点」を基準とする考えを明らかにした。

 現在,この共存仕様の詳細はCEPCAのメンバー企業にのみ公開されているが,5月下旬には広く一般に公開する予定。さらに,IEEEで共存仕様の検討を進めているP1901会合にも提案する見通しだ。

 電力線通信の共存仕様は,スペインのチップ・メーカーDS2が中心となって活動している業界団体「UPA」(Universal Powerline Association)も2005年7月に公表している。