インテルは4月6日,仮想化の普及を目的とした「インテル バーチャライゼーション・テクノロジー(VT)・アクセラレーション・プログラム」を開始したと発表した。ハード・ベンダー,仮想化ソフト・ベンダー,大手システム・インテグレータと協力し,アプリケーションの仮想化環境への対応や,仮想化を利用したソリューションの検証・展開を支援するもの。現時点で,ヴイエムウェア,NEC,NTTデータ,新日鉄ソリューションズ,ターボリナックス,デル,東芝,日本IBM,日本ヒューレット・パッカード,ノベル,野村総合研究所,日立製作所,富士通,マイクロソフト,ミラクル・リナックス,レッドハット,の16社が参加を表明している。

 同プログラムの具体的な活動内容は,(1)「インテル VT検証ラボ Tokyo」を開設,(2)参加企業が共同でワークショップを開催,(3)「インテル VTソリューションカタログ」を2006年中に公開,の3点。(1)では,動作検証用の設備を備えたスペースを東京都内に用意して,独立系ソフト・ベンダーが自社アプリケーションを仮想化環境に対応させるのを支援する。インテルや同プログラムに参加するほかの企業から技術情報の提供を受けることもできる。対応済みアプリケーションについては,順次(3)の「インテル VTソリューションカタログ」で公開する。

 (2)では,参加企業内で仮想化環境の技術情報やソリューションの共有を図り,あわせて技術検証などを行う。(3)は,仮想化の技術説明や利用可能なシステムの一覧,事例などを集めたカタログである。業界各社と顧客に向けて提供する。

 現在,インテルの仮想化技術であるVT(VT-x)を利用可能なサーバー・マシンがハード・ベンダー各社から出荷され,Xen 3.0やVMware Server(ベータ版)のようにVTをサポートする仮想化ソフトも公開されるなど,仮想化の環境は徐々に整いつつある。その一方で,仮想化についての理解が浸透していない,ソフトのサポートに不安を感じる顧客が少なからずいるなど,普及に向けての課題も多い。インテルは,「仮想化の普及に向けて,同プログラムによってこうした課題に業界全体で取り組んでいきたい」(マーケティング本部 エンタープライズ・プラットフォーム・マーケティング部長の廣田 洋一氏)としている。