サッポロ飲料は4月から約500人の全社員を対象に,ブログの仕組みを利用したEIP(Enterprise Information Portal)システムを本稼働させた。営業情報や人事異動など7つのテーマ分類を設けた社内電子掲示板をブログで構築した上で,社員ごとのポータル画面として用いるRSS(Really Simple Syndication)リーダーと組み合わせ,プッシュ型の情報共有を実現したのが最大の特徴である。

 新システムで採用したRSSリーダーは“サーバー型”で,社員はWebブラウザでRSSリーダー・サーバーにアクセスし,自分のポータル画面を表示させる仕組み。RSSリーダー・サーバーは1時間ごとに自動的にブログ・サーバーにアクセスして情報を取得するため,各社員のポータル画面には新着情報が更新されて表示される。ただしこれだけでは,たまにしかポータル画面にアクセスしない社員は,最新の情報を見るのが遅れてしまう。そこで,ポータル画面からしか勤怠管理や経費精算などの業務システムにアクセスできないようにして,「ポータル画面の閲覧を習慣づけさせた」(宮川徹 取締役)という。

 新システムには,日立製作所のブログ・パッケージ「BOXERBLOG/iB」,RSSリーダー・ソフト「BOXERBLOG Sonar」をそれぞれ採用した。導入費用は,ハードウエアを含めて約1000万円。