生産改革を進める子会社の鈴鹿富士ゼロックスの組み立てライン
生産改革を進める子会社の鈴鹿富士ゼロックスの組み立てライン
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 富士ゼロックスが生産現場の無駄を排除しながら、ものづくりの人材を育成するため、「トヨタ生産方式」を採用して工場の生産改革に挑んでいる。

 2004年11月にスタートした生産革新活動の一環で、2006年末には国内の全工場と生産子会社の生産性(かかったコストに対する生産高)を、2年前の3倍まで高めるのが目標だ。組み立てにかかるリードタイムも3分の1に縮める。

 生産革新から既に1年以上が経過しており、生産性は現時点で2倍になっている。ゼロックスは同社の工場にトヨタ生産方式を取り入れたことが間違っていなかったことを確信。今年末までかけて、トヨタグループ出身のコンサルタントに指導を受けている内容を、さらに現場に浸透させていく。

 今年1月にはゼロックス本社で、生産部門を統括する専務を最高責任者として、トヨタ生産方式の推進体制を新たに整え直した。専務の下には、生産・営業・人事の各役員が管轄する革新チームを置き、調達物流、構内物流、商品物流を個別に見直していく。

 ゼロックスは2001年10月にNECからレーザープリンター事業を買収したが、そのとき子会社にした新潟富士ゼロックス製造(旧・新潟日本電気)がトヨタ生産方式に取り組んでいた。NECは現在もグループを挙げてトヨタ生産方式に取り組んでいるが、ゼロックスはNECから関連会社を買収したことに伴い、トヨタ生産方式に触れる機会まで得ていたことになる。