コンピュータ・ウイルスの届け出先機関である情報処理推進機構(IPA)は4月5日,「仕組みや危険性を理解できないのであれば,Winny(ウィニー)は利用すべきではない」として,Winny経由の情報流出に関して改めて注意を呼びかけた。
IPAでは,「Winnyを使って他ユーザーのPCからファイルをダウンロードできるということは,他のWinnyユーザーも自分のPC内のファイルにアクセスできる」ということを理解する必要があると強調している。ウイルスや操作ミスなどによって,Winnyの「公開フォルダ」に入れられたファイルは,ユーザーの意思にかかわらず,他のWinnyユーザーに対して公開されてしまう。
Antinny(アンチニー)のような“Winnyウイルス”に感染しないためには,信用できないファイルを安易に開かないことが重要であるが,IPAでは「Winnyなどのファイル共有ソフトのネットワークで流通しているファイルのほとんどは,出所不明で信用できないファイルであるのが実情」としている。
このため,ファイル共有ソフトでダウンロードしたファイルを開くことは危険な行為であることを認識し,興味本位でWinnyなどを利用することは止めるべきであると警告している。
同日,IPAは3月中のウイルス届け出件数を公表した。ウイルスを発見したという届け出件数は4270件(2月は4324件)。そのうち,実害があったのは4件だった(2月は5件)。届け出件数が多かったウイルスは,Netsky(988件),Mytob(531件),Bagle(449件)。なお,Antinnyに関する届け出件数は3件だったが,Winnyに関連する相談は196件寄せられたという(2月中の相談件数は3件)。
併せて,3月中に寄せられた不正アクセスの届け出件数も公表した。届け出件数は38件(2月は26件)で,そのうち実害があったのは10件(2月は15件)だったという。実害があった不正アクセスのうち,6件ではサーバーへの侵入を許した。その中には,フィッシング詐欺目的の偽サイトを勝手に設置されたケースがあるという。
◎参考資料
◆コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況[3月分および第1四半期]について