「DCMX」サービスを発表するNTTドコモ執行役員の夏野剛氏
「DCMX」サービスを発表するNTTドコモ執行役員の夏野剛氏
[画像のクリックで拡大表示]

 NTTドコモは4月4日、クレジット事業に参入することを発表した。自社でクレジット・カードを発行するほか、携帯電話専用の少額決済サービスを開始し、携帯電話の「おサイフケータイ」を使うクレジット機能「iD」のサービス拡大を図る。サービス開始に当たり、割賦購入斡旋業と貸金業の免許登録を申請している。

 ドコモのクレジット事業のサービス名称は「DCMX」。3種のサービスを計画している。一つは、利用限度額が月額1万円の「DCMX mini」。iD対応の店舗で利用でき、代金はドコモが携帯電話料金と一括請求する。支払い方法は一括払いのみで、キャッシング機能はない。

 第2のサービスは、20万円以上の決済が可能な「DCMX」。iD対応店舗での利用だけでなく、ビザやマスターカードとの提携カードも発行し、通常の店舗でも利用できるようにする。利用代金は、携帯電話料金とは別に、DCMX単独で請求する。一括払いや、分割、リボ払いに対応するほか、キャッシングもできる。クレジットの利用額に応じドコモのポイントも付与する。

 三つ目は、「DCMX」にサービスを付加した「DCMX GOLD」。ただし、現時点では具体的なサービス内容は検討中としている。いずれのサービスも、おサイフケータイ対応の携帯電話に、DCMX用のアプリケーションをインストールして利用する。

 これまで、おサイフケータイでiD対応のクレジット・サービスを利用するには、ドコモの提携先である三井住友カードが発行する「三井住友カードiD」の契約が必要だった。三井住友カードiDとの競合については、「クレジット決済の市場はさらに拡大し、新規顧客が獲得できるため、競合はしない」(夏野剛執行役員)としている。

 おサイフケータイの契約数は4月3日時点で約1200万件。ここ2カ月半だけで200万件増という。ドコモは、おサイフケータイの収益率を高めるため、自社でクレジット事業に参入することを計画していた。

 サービス開始予定は、DCMX miniが4月28日。DCMXは5月下旬の受付開始を予定している。サービスを利用できるのは、DCMX miniが小学生を除く満12歳以上、DCMXは高校生を除く満18歳以上。いずれも未成年の場合は親権者の同意が必要になる。