UMPCに準拠するPBJのSmartCaddie
UMPCに準拠するPBJのSmartCaddie
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 マイクロソフトは4月4日、「Origamiプロジェクト」の名称で開発を進めてきた「UMPC(Ultra-Mobile PC)」の日本市場における展開を発表、併せてPBJが世界で初めてとなるUMPC準拠製品「SmartCaddie」を発表した。

 UMPCは携帯性を備えたWindowsパソコンで、「スマートフォンやPDAのような携帯性と、ノートパソコンが持つ機能性を併せ持つ機器」(米マイクロソフトWindows Mobile Platforms Division担当のビル・ミッチェル副社長)。これを実現するため、ハードウエアのガイドラインとして(1)重量は0.9kg以下、(2)画面の大きさは7インチで800×480ドット以上、(3)タッチ・パネルと無線LAN、Bluetoothに対応、(4)バッテリ駆動時間が2.5時間以上、(5)ハードディスク容量は30G~60Gバイト、(6)CPUはインテルのCeleron MかPentium M、または台湾VIAのC7-M、といった概略の仕様を定めている。OSはWindows XP Tablet Edition 2005に、UMPC専用のソフトとして「タッチパック for Windows XP Tablet Edition」を追加したものとなる。このガイドライン自体はハードウエア・メーカーを制約するものではなく、「われわれが現状において最適と思うものをまとめた。例えば画面サイズ5インチにしてさらに小型化したUMPCが発売される可能性はある」(マイクロソフトWindows本部ビジネスWindows製品部の飯島圭一シニアプロダクトマネージャー)。

 UMPCを販売するターゲットとして、教育分野をねらう。具体的には学校が生徒に配布して、繰り返し学習に使う教材コンテンツを再生するプラットフォームとしての利用などを考えている。すでに立命館小学校が試験導入として3年生の1クラス33人の児童に配布することを決めている。「これまでのタブレットPCを使って学習効率を高めることに成功してきた。パソコンは繰り返し学習に最適なツールであり、漢字や計算といった基本の積み重ねやりやすい。しかしタブレットPCは重たくて子供が持ち帰って復習に使うことができなかった。UMPCはその欠点を解消する」(立命館大学 大学教育開発支援センター教授兼立命館小学校副校長の陰山英男氏)。このほかタブレットPCで実績がある金融業や流通業などや、2台目利用を想定したコンスーマ市場も目指すという。

 同日PBJが世界最初となるUMPCの実機を発売した(写真)。SmartCaddieは1GHz動作のVIAのC7-MをCPUに採用し、主記憶は512Mバイト、ハードディスク40Gバイトを装備する。ディスプレイは800×480ドット表示の7インチ型。重量が880gで外形寸法は幅228×奥行き146mm×厚さ25.1mmと、常時携帯できる範囲に収まっている。ただしバッテリ駆動時間は2.5時間とやや短い。出荷開始は4月14日で、価格は9万9800円(税込み)。エキサイトやソースネクスト、イーネット・ジャパンのWebサイトで4月4日から予約販売を受け付ける。店頭販売は4月下旬からで、量販店のノジマで販売することが決まっているほか、「これまでのパソコンとは違う販路を使う」(PBJの高橋正敏代表取締役社長)。