就任後初の会見に臨む、日立製作所の古川一夫社長
就任後初の会見に臨む、日立製作所の古川一夫社長
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 庄山悦彦前社長からバトンを受けた日立製作所の古川一夫社長が4月3日、都内で会見を開き経営方針を説明した。4月1日に代表執行役・執行役社長に就任したのを受けて開催したもの。

 古川社長が最も強調したのは「グローバル化」だ。「グローバルに通用しないと淘汰されてしまう。変革をやり遂げることで日立が世界のエクセレントカンパニーになる」とぶちあげた。その第一目標を「(売上高)営業利益率5%がグローバル企業として最低のライン。できるだけ早く達成したい」と強い口調で語る。さらに、「グローバルでM&A(企業の合併や買収)が必要であれば実行する」との積極さも見せた。

 日立の情報通信事業全体を見ると、米IBMから譲渡を受けたハードディスク事業の赤字が足を引っ張る構図になっている。これに対しては「ハードディスク事業は日立のこれからを支えるもの。短期的な課題として計画通りに黒字化し、収益力の早期回復を目指す」と強気の姿勢。日立のグローバル化の象徴とも言える同事業に大幅なてこ入れをする考えだ。

 一方で国内を中心とした事業の集中や選択については、「総合(電機会社)の看板に強いこだわりがある」と具体論を避けた。

 古川社長は日立の社長としては初の非重電分野の出身者。通信機器・事業部門での経験が長く、2003年4月から情報・通信グループ長&CEO(最高経営責任者)に就任。05年4月から代表執行役副社長と輸出管理本部長を兼務していた。1946年生まれの59歳。