旭川、札幌、空知、苫小牧、北海、室蘭の6信用金庫が共同で利用している勘定系システムに3月31日、障害が発生。ほぼ終日、処理が遅延する状態となった。室蘭信用金庫(室蘭信金)によると、「(19時時点で)ATM(現金自動預け払い機)からの現金の出し入れは可能になっている。しかし、今日受け付けた振り込みなどの取引が、今日中に処理できるかどうかは確認できていない状態」だ。

 6信用金庫が利用している共同システムは2003年1月に稼働したもの。開発・運用のアウトソーシングは、日本ユニシスが担当している。同社によると、処理遅延の原因は、勘定系システムが稼働するメインフレームのハードウエア障害である。障害の詳細は「確認中」であり、システム構成などについては、「お客様のシステムであるため、話せない」(日本ユニシス)という。

 今回の勘定系システムは2台のメインフレームで稼働し、障害時に備えている。日本ユニシスは31日の早朝に、1台のメインフレームのハードウエアに障害を発見。その1台をシステムから切り離し、処理能力を落とした状態で稼働を始めた。同時に各信用金庫に、送信するデータ量を減らすように要請。室蘭信金は、一部のATMの営業を停止するなどして対応した。しかし年度末なこともあって、「少しずつ処理できない取引が増えていった」(日本ユニシス)。

 日本ユニシスは、障害が起こったハードウエアを交換し、勘定系システムを2台構成に戻した。だが、それまでにたまっていた処理が多かったため、遅延が解消できなかった。