ヤフーは3月30日、ジャパンネット銀行と三井住友銀行との間に業務・資本提携を結んだことを発表した。ヤフーは2006年度上期に設立されるジャパンネット銀行の持ち株会社に出資する。

 三井住友銀行が設立する持ち株会社は、ジャパンネット銀行の発行済み株式を57%保有する。三井住友銀行は、当初ヤフーに対し持ち株会社の株式のうち14.9%を譲渡。将来、ヤフーが株式の50%程度を保有する予定だという。最終的なヤフーの出資額は250億円になる見込み。

 ヤフーはポータルサイト「Yahoo! Japan」で提供している「Yahoo!オークション」や「Yahoo!ショッピング」などの決済サービスでジャパンネット銀行との親和性を高めていく。これまでは、ネットバンクで決済をする場合、通常ネットバンクのWebサイトに誘導され、ネットバンク用のIDやパスワードを入れて決済する必要があった。今回の提携によって、ジャパンネット銀行での決済は、Yahoo!ショッピングなどの画面上でそのまま行えるようにしていきたいという。

 オークションに関しても、出品者と落札者がジャパンネット銀行に口座を持っていれば、ボタン一つで払い込みができるようなシステムも検討する。「リアルな世界での決済はレジで現金を払ったり、クレジットカードを提出すれば完了。ところがネットショッピングで決済しようとすると、いくつもの画面を経なければ決済できない。これは非常に面倒だ」(ヤフー)という現状を改善できると見込む。このような連携サービスは2006年内に開始予定という。

 ヤフーはあおぞら銀行とインターネットでの専業銀行設立に合意していたが、2006年2月には提携を解消。「ネットの特性を生かしたスピード感を実現したい我々とは方向性が違った」(ヤフー)。この資本提携解消後、すぐにジャパンネット銀行との話し合いを開始したという。ヤフーの銀行業進出の念願がこれでようやくかなったこととなる。