ガートナージャパンは2005年の日本でのPDA/ハンドヘルドPC(専用端末は除く)における市場調査結果と予測を発表した。出荷台数は前年比18.6%減の24万5000台。個人市場は4年連続マイナス成長だったものの、過去4年間マイナス成長が続いた法人市場で11.5%のプラス成長が見られた。

 PDA/ハンドヘルドPC市場のシェアは1位シャープ(34.5%)、2位日本ヒューレット・パッカード(16.6%)、3位カシオ計算機(12%)。シャープはソニーのPDA市場撤退と、PHS機能付きPDA「W-ZERO3」のウィルコムへの提供などにより、ソニーから4年ぶりに1位を奪還。出荷台数は8万5000台、2004年からの成長率を43.7%とした。これに関してガートナージャパンは「シャープは日本全体の(PDA)市場規模を底上げした」と評価している。

 2位の日本ヒューレット・パッカードも2004年からの成長率が31.3%と、大きく躍進した。法人向けを中心に「iPAQ」ブランド製品を販売し、着実に成長を遂げている。法人市場のシェアも2004年1位のカシオ計算機を抜き、1位に躍り出た。

 法人市場全体は、2004年の出荷台数が11万9000台だったのに対し、2005年は13万3000台を記録。複数社員で共有していた専用機を一人1台のPDAに置き換えたり、グループウエアなどの利用で出荷台数が伸びたという。

 ガートナージャパンは2006年の出荷台数に関して5年ぶりのプラス成長を予測。前年比63.1%増の40万台を見込んでいる。従来型のPDA市場は収束に向かう一方、W-ZERO3のような音声通話が可能なPDAの市場が大きく成長するという予測だ。また、企業においてもグループウエアの活用を軸にPDA市場が伸びていくとみている。

●日本PDA/ハンドヘルドPC市場 ベンダー別出荷台数(千台)
ベンダー 2005年 2004年
順位 台数 シェア 成長率 順位 台数 シェア
シャープ 1 85 34.5% 43.7% 2 59 19.5%
日本ヒューレット・パッカード 2 41 16.6% 31.3% 3 31 10.3%
カシオ計算機 3 29 12.0% 5.2% 4 28 9.3%
富士通 4 23 9.3% 89.1% 7 12 4.0%
ソニー 5 17 6.9% -85.0% 1 112 37.3%
その他 51 20.7% -13.7% 59 19.6%
合計 245 100.0% -18.6% 301 100.0%
注:丸め誤差により、各ベンダーの合計値と合計欄の値が一致しない個所がある。
出典:ガートナー データクエスト(2006年3月)