サッポロ飲料は、4月から社内ブログを全社的に導入する。社内に業務やテーマごとにブログを設置、18拠点、約500人の社員全員が随時情報を発信できるようにして、社内の情報共有基盤として活用する。同社は昨年12月に、試験的にブログを導入、まず営業部門で効果を検証してきた。ブログに販促キャンペーンのアイデアなどが多数登録されたほか、紙の文書回覧を廃止できたといった効果が確認されたことから、4月から利用対象を全社に広げる。

 ブログと同時に、WebベースのRSSリーダーを全社員に導入する。RSSリーダーはブログの更新情報を自動的に取得するので、いちいちブログを閲覧しなくても、RSSリーダーのWebページで、常に最新の更新情報の内容を知ることができる。同社は、RSSリーダーのページの利用頻度を上げるため、RSSリーダーを社員個々人のポータル・サイトに近い位置づけとした。実際に、勤怠管理や経費精算の画面にはRSSリーダーのページからしかアクセスできないようにするという。

 ブログを導入した理由として、サッポロ飲料は「一方的な情報提供ではなく双方向のコミュニケーションができること」(経営戦略部)を挙げる。またRSSリーダーと組み合わせることで、情報を更新した場合に自動的に社員に配信されることも、同社は評価している。これまでもグループウエアやイントラネットでの情報提供は実施していたが、能動的にアクセスしない社員には、確実に情報が伝わるかどうか分からないという問題があった。

 同社が設置したブログは、(1)情報システム関連、(2)新商品発売/終売情報、(3)お客様相談室の問い合わせ情報、(4)サッポロ・グループ全体の通達、お知らせ、(5)営業情報、(6)社内、グループ各社、主要取引先の慶弔情報、(7)人事異動——の7種類ある。

 システムを構築したのは日立製作所。採用したブログ・ソフトは日立の「BOXERBLOG/iB」、RSSリーダーはWebベースの「BOXERBLOG Sonar」。導入費用は、ソフト、ハード代とシステム構築費用込みで約1000万円である。