インターネットイニシアティブは3月30日,同社の個人向けインターネット接続サービス「IIJ4U」および「IIJmio」の迷惑メール(スパム)対策を強化したことを発表した。送信ドメイン認証の一つ「SPF(Sender Policy Framework)」を利用して,送られてきたメールの送信元アドレスの正当性をチェックできるようになった。

 IIJ4U/IIJmioユーザーが送信するメールについては,2005年12月に送信者ドメイン認証を導入している(関連記事)。これにより,IIJ4U/IIJmioユーザーからのメールを受け取ったユーザーは,そのメールがIIJ4U/IIJmioのドメイン(メール・サーバー)から送られたことを確認できるようになった。この対応により同社では,「IIJ4U,IIJmioのドメイン名を詐称した迷惑メールの送信を抑止する効果を上げています」としている。

 しかしながら受信メールについては,送信者ドメイン認証は対応していなかった。IIJ4U/IIJmioユーザーは,自分に送られてきたメールの送信元アドレスの正当性を検証することはできなかった。それが,3月30日からは送信者ドメイン認証(SPF)を使って検証できるようになった。

 具体的には,同社が用意する「送信ドメイン認証フィルタ」を利用して,送信者ドメイン認証の判定結果に基づいたフィルタリングを実施する。

 IIJ4UおよびIIJmioのメール・サーバーは,メールの受信時に,SPFを使ってその送信元アドレスをチェックする。そして,その判定結果をメールのヘッダーに「スコア」として記述する。スコアには,SPFによる認証が成功したことを表す「pass」や,送信元メール・アドレスが詐称されていることを表す「fail」,認証情報が存在しない(送信元がSPFに対応していない)ことを示す「none」などがある。ユーザーは送信ドメイン認証フィルタを使って,例えば,「『pass』と『none』は通過させて,それ以外はごみ箱へ送る」といった設定をすることができる。

 送信ドメイン認証フィルタを利用できるのは,IIJ4U,IIJmioセーフティメールサービス,IIJmioプライムメールサービス(IIJmioパーソナルドメインサービスは対象外)。無償で利用できる。

◎参考資料
IIJ,個人向けサービスIIJ4U・IIJmioに送信ドメイン認証フィルタ機能を追加(プレスリリース)
送信ドメイン認証フィルタ概要(IIJ4U)