情報処理推進機構（IPA）は、IT関連サービス提供に必要な能力を体系化した指標「ITスキル標準」の最新版V（バージョン）2を、4月1日からWebサイト（http://www.ipa.go.jp/jinzai/itss）で公表する。ITスキル標準がバージョンアップされるのは、2002年12月の公表以来初となる。
今回公表されるのは、3部構成のITスキル標準本体と活用のための資料をまとめた附属書。ITスキル標準本体は、適用範囲や基本構造を解説する「概要編」に加え、各専門職種の定義や市場における専門職種の評価基準についてまとめた「キャリア編」、各専門職種に必要なスキルの一覧（スキルディクショナリ）やスキルの習熟度合いについてまとめた「スキル編」を用意した。評価基準をより明確にするために、各レベルに到達するための要件を明示し、数値による判断基準を盛り込むなどしている。
また、専門分野も前バージョンの11職種38分野からV2では11職種35分野にスリム化され、名称変更や再定義も行われた。例えばプロジェクトマネジメントの職種では、前バージョンの「システム開発/アプリケーション開発/システムインテグレーション」をV2では「システム開発」に名称を変更。前バージョンでは独立していた「eビジネスソリューション」をインターネットやWebを活用したプロジェクトが一般化していることを理由に、V2からは「システム開発」に統合された。
V2はIPAのITスキル標準センターと有識者から構成されるITスキル標準改訂委員会が、前バージョンでの反省点を踏まえて改訂。特に使いやすさとわかりやすさに重点を置いて改善を図った。IPAは今後もITスキル標準の改善活動を継続し、毎年10月に最新版を公表する方針だ。
