NTTドコモが描く第4世代ケータイのロードマップ
NTTドコモが描く第4世代ケータイのロードマップ
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06年末にも導入予定のHSDPAでは実効1M~3Mbpsで通信
06年末にも導入予定のHSDPAでは実効1M~3Mbpsで通信
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 NTTドコモは3月29日、2010年頃に実用化される見通しの第4世代携帯電話「IMT-Advanced」に関する実証実験の途中経過を公開した。総務省が技術者向けに開催した講習会の中で明らかにしたもの。IMT-Advancedは、国際連合の下部組織である国際電気通信連合(ITU)などが標準化を進めている技術。低速移動中ならば、1Gbpsの速度でデータ通信ができることを目指している。

 第4世代携帯電話の実験は神奈川県横須賀市内で実施している。基地局から送信したハイビジョン映像を、時速20kmで走らせた実験車両で受信。28Mbpsのハイビジョン映像を同時に24本分、合計約680Mbpsもの映像データをストレスなく再生できたという。アンテナの工夫などで、信号レベル(映像などのアプリケーションの受信は伴わないレベル)では最大2.5Gbpsでの通信にも成功している。

 06年末までに導入する予定の新技術HSDPAの実証実験についても、最新情報を紹介した。HSDPAは、最大14Mbpsでのダウンロード通信を可能にする技術。NTTドコモは、当初カテゴリ6と呼ぶ低速版の仕様に基づいて、3.6MbpsのHSDPAを「FOMA」サービスに導入することを検討している。実験では、受信先の基地局が変わるハンドオーバーと呼ぶ現象が起こる最中でも、安定して1~3Mbpsで通信できたとした。

 HSDPAとIMT-Advancedのつなぎ役として「スーパー3G」と呼ぶ技術もドコモは開発している。これは通信速度が30M~100Mbpsの技術で、「2007年6月にも標準化が完了する」(同社)との見通しを示した。2008~2009年頃にも自社ネットワークへ導入可能になるという。