インターネット専業銀行「西京ライブドア銀行」の設立中止を3月29日に発表した西京銀行(山口県)は、開業に先駆けて進めていた勘定系システムの開発費用について、本誌の問い合わせに「ライブドアが全額負担する。システムの所有権もライブドアが有する」(経営戦略室)と回答した。

 勘定系システムの開発予算は20億円程度とみられる。プロジェクトは最終テストの段階まで進んでいたことから推測すると、ライブドアは少なくとも10億円以上の支払いが必要になる可能性が高い。ライブドアは、同社が支払う開発費用の絶対額と負担割合のいずれについても、「一切答えられない」(広報)と回答した。

 ライブドアと西京銀行は今年7月の開業を目指し、勘定系システムの開発を進めていた。勘定系システムは、インドのi-flexソリューションズ製パッケージ「FLEXCUBE」を、日本IBMの「eServer xSeries」で稼働させる構成。システム開発は、ソランが手がけていた。

 ライブドアと西京銀行は、両社は今年7月にも、西京銀行が51%、ライブドアが49%出資して西京ライブドア銀行を設立する予定だった。ところが、今年1月にライブドアの証券取引法違反が発覚。この事件で「銀行設立構想の実現の見通しが立たなくなった」(ライブドア広報)。

 ネット銀行の設立を巡っては、ヤフーとあおぞら銀行も今年2月に、両社の思惑の違いを理由に、インターネット専業銀行の開業に向けた契約を解消している(詳細については『日経コンピュータ』4月3日号参照)。