NTTデータのコンピュータセンターで管理していた仙台銀行のATM(現金自動預け払い機)の取引記録からオリックス・クレジットの偽造ローンカードが作成され現金が不正に引き出された事件で、窃盗と不正作出私電磁的記録供用の容疑で指名手配されていたNTTデータ元社員の田中守容疑者(54)が29日午前、神奈川県警に出頭して逮捕された。

 宮城県警の調べによると、田中容疑者は2005年10月7日に仙台市青葉区内の都市銀行の支店3店舗のATMで、偽造カードを計20回にわたって使用し現金1400万円を盗み取った疑い。NTTデータによると、これまでに17人分約3100万円の被害が判明しており、宮城県警は余罪を視野に入れながら捜査を進める方針。

 田中容疑者は、1965年から1998年までNTTデータに在籍。2000年1月からNTTデータの協力会社から仙台銀行から運用を委託されているコンピューターセンターに派遣され、2003年5月から今年2月までシステム運用責任者として不正を監督する立場にあった。

 逮捕を受けてNTTデータ広報室は「早期に全容が究明されるように捜査に協力したい。今回の事件を真摯に受け止めて抜本的な再発防止に取り組む」とコメントしている。