「2006年は東経110度CS放送の普及が重要なテーマになる」――。ある衛星放送関係者はこう断言する。実際に20数社の番組供給事業者が東経110度CS放送「スカイパーフェクTV! 110」の番組パックの無料視聴キャンペーンを計画するなど,この言葉に呼応するかのような動きが衛星放送業界で出てきている。今後,衛星放送関係各社が同サービスの普及に本腰を入れて取り組むことになりそうだ。

 ここにきて各社がスカイパーフェクTV! 110の普及に力を入れ始めた背景には,同サービスが多くの加入者を獲得する余地を持っていながら,それを生かし切れていないという現状がある。大手家電メーカーは地上デジタル放送とBSデジタル放送,東経110度CS放送を受信可能なデジタルテレビなどの「3波共用受信機」の新製品を続々と発売している。地上デジタル放送の受信可能エリアの拡大もあり,テレビ受像機の買い換え時に3波共用受信機を選択する人が増えているのは確かだ。ただ,現在はこのような追い風をスカイパーフェクTV! 110の普及に結び付けることができていないと衛星放送関係者は見ているようだ。現時点におけるスカイパーフェクTV! 110の個人契約ベースの加入者数は22万5333件だが,多くの衛星放送関係者が「加入者数が少なすぎる」と不満を漏らす(詳細は日経ニューメディア2006年3月27日号に掲載)。