サイボウズは3月23日、2006年末にも自社グループウエアと連携する携帯電話向けサービスを開始することを正式に発表した。「パッケージ販売だけでなく、サービスによる継続的な収益源を確保する」(青野慶久社長)のが狙い。本サービスに先行し同日から試験サービスも開始した。

 同社が計画するサービスは、グループウエアの「サイボウズOffice」と携帯電話の連携を密にするもの。例えば、サイボウズOfficeで管理しているスケジュール・データを基に、予定の5分前に携帯電話のバイブレーションを働かせるなどのサービスを検討している。そのために、携帯電話側にサイボウズ専用のアプリケーションを搭載する。将来は、「ビジネス用途に特化したサイボウズ・ブランドの携帯電話を投入したい」(青野慶久社長)考えもある。

 試験サービスは、ウィルコムと事業提携して実施する。ウィルコムのPHS端末「WX310SA」(三洋電機製)と「WX310J」(日本無線)を使う。端末のブラウザからサイボウズのリレーサーバーに接続し、そこからSSLで暗号化してユーザー企業が持つOffice 6サーバーにアクセスできるようにする。サイボウズがテスト企業を10~20社(1社当たりの利用ユーザー数は10~20人)を選ぶ。試験サービスから得た要望などを本サービスを反映する予定。

 本サービスの利用料は未定。提携する携帯電話会社についても、「今後複数社と提携することはありうる」(青野社長)という。サービス開始後1年間で2万~3万人のユーザー獲得を目標にする。

 サイボウズは2月20日にMVNO(仮想移動体サービス事業者)サービスを発表した際に、自社ブランドの携帯電話発売を含め、携帯電話向けサービス事業への参入を示唆していた。