[画像のクリックで拡大表示]

 米マイクロソフトでモバイル&エンベデッド デバイス部門などを統括するピーター・クノック上級副社長(写真)は3月20日、携帯端末用OS「Windows Mobile」を企業システムで活用するメリットについて説明した。同氏によれば、ビジネス用途で見た場合、「Windows Mobile」は主に二つの点で有用だと話す。

 一つ目は、同社の電子メール/グループウエア用のサーバー「Exchange Server」との連携機能が充実していること。パソコンのメールをWindows Moile端末で読み書きできるだけでなく、セキュリティの観点からも両者の連携は有効だという。例えば最新のExchange Server 2003 SP2とWindows Mobile 5.0の組み合わせでは、「リモートワイプ」という機能を利用可能だ。これにより、紛失したり盗難に遭ったりしたWindows Mobile端末のデータをExchange Server側からリモートで削除できる。

 二つ目は、パソコン同様の開発環境でアプリケーションを開発できることだ。同社のパソコン向けの開発ツール「Visual Studio」を使ってアプリケーションを開発できるエンジニアであれば、「Windows Mobile用のアプリケーションも、苦労することなく開発できる」とクノック氏は話す。

 またクノック氏は、セキュリティ強化策の一つとして、パソコンと連携した個人認証を、無線通信を使って実現する計画についても言及した。同社は、オランダのロイヤルフィリップスエレクトロニクスとソニーが共同開発した近距離無線通信の「Near Field Communication(NFC)」を推進するNFCフォーラムに加入している。将来的には、ハードウエア・メーカーとの協業により、「NFCのチップセットをパソコンやWindows Mobile端末に搭載し、パソコンと端末を近づけることで個人認証できるようになる」との見通しを示した。同社は、こうした機能をクレジットカード機能や現金決済機能を持った端末に搭載していくよう、働きかけていく意向だ。