写真1 まるごとアニメで提供開始する「鉄腕アトム」。(C)手塚プロダクション。
写真1 まるごとアニメで提供開始する「鉄腕アトム」。(C)手塚プロダクション。
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写真2 フロントメディアの市川社長
写真2 フロントメディアの市川社長
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 携帯電話端末向けコンテンツを手がけるベンチャー,フロントメディアと日本動画協会は3月20日,携帯向けのアニメ番組の配信を開始すると発表した(写真1)。アニメ番組の配信は同日にオープンした,NTTドコモのiモード・サイト「まるごとアニメ」で展開する。アニメ番組を「携帯端末向けにまるごと配信するのは世界初」(フロントメディア)。

 日本動画協会はアニメ制作に関する権利者団体で,手塚プロダクション,スタジオジブリやサンライズ,東映アニメーションや竜の子プロダクションといった国内有数のアニメ制作会社が所属している。一方のフロントメディアは,2005年6月に設立したばかりのベンチャー。2005年12月には文化放送とケータイ・ラジオハイブリッド放送有限責任事業組合を設立し,文化放送の音楽番組「まるごとステーション」の携帯端末向け配信サービスも提供中である。

 第1弾コンテンツは,手塚プロダクションの「鉄腕アトム」,「リボンの騎士」や「ジャングル大帝」など。月額210円の基本料のほか,1話当たり105~525円で販売する。視聴可能期間はコンテンツによって異なるが3~7日。番組は毎日更新され,月間で50話程度のペースで提供する。

 対応機種は,NTTドコモのFOMA900i,700iシリーズ以降の端末。「4~5月にはボーダフォン端末へも提供を開始する予定。KDDI(au)向けは現時点では未定だという。

 まるごとアニメは日本動画協会の公式サイトに位置付けられ,番組配信のほか,アニメのオンエア情報やDVD発売情報なども提供する。ワンセグ対応端末であれば,同サイトが提供するアニメ専用のテレビ番組表を利用して,視聴予約もできる。
 
 今回の新サービスの特徴は,同社と携帯向けブラウザの「jigブラウザ」を開発したjig.jpが共同開発したメディア・プレイヤー「まるごとアニメプレイヤー」を使う点。

 自らプレイヤーの開発に携わったフロントメディアの市川茂浩社長は,「携帯端末向けの動画サービスでは,数十秒間程度しか映像や音声を途切れずに配信できなかった。当社のプレイヤーを使えばバッテリーが持つ限り,途切れずにストリーミングを見られる」と自信を見せる(写真2)。FOMA向けの場合で,映像と音声を合わせて150kビット/秒で配信する。

 まるごとアニメは「初年度で30万会員,番組配信数で200万」(市川社長)を目指すという。