KDDIグループのKDDIネットワーク&ソリューションズは3月20日,新たな中小企業向け販売チャネルを構築する「テクニカルパートナー構想」を推進中であると明らかにした。電気設備工事事業者やシステム・インテグレータとKDDIネットワーク&ソリューションズがパートナ契約を結び,企業向けソリューションを提供する全国組織を作り上げる。参加する会社数は700社から1000社程度,始動時期は2006年後半となる見込みだ。

 狙いは,NTTグループに比べ劣る中小企業向け営業力の強化にある。NTTグループには,東西NTTの子会社や孫会社として各都道府県に営業や工事を担当する会社が存在する。それぞれが中小企業と密接な関係を築くことで,他を圧倒する営業力を保持してきた。しかしKDDIはそれに該当する組織を持たない。そこで,地場の電設業者やインテグレータと組む道を選択した。

 販売パートナーを通じて,中小企業向けにメタルプラスや光ダイレクトといった固定通信回線と,内線電話ソリューションを組み合わせて販売する。特にKDDIが7月に発売する無線LAN/第3世代携帯電話デュアル端末「E02SA」と,それを既存ビジネスホン環境へ導入する専用装置「OFFIMO」が目玉商品。OFFIMOは,2008年度末までに3万台の販売を目指す。

 電設業者やインテグレータは,E02SAやOFFIMOの導入ソリューションで利益を上げる。その一方で,KDDIグループはソリューションを中小企業に食い込むためのツールとして利用する。「携帯電話と固定通信を組み合わせた割引料金を提案したい。E02SAによる携帯電話回線の導入をきっかけに,NTTグループが高いシェアを持つ中小企業向け固定通信回線の獲得を狙う」(KDDIネットワーク&ソリューションズの那谷雅敏ソリューション事業本部FMCビジネス推進室副室長)。

●記事掲載当初,組み合わせて販売するサービスの名称を「光プラス」としていましたが,光ダイレクトであるという申し入れをKDDIネットワーク&ソリューションズからいただきました。お詫びして訂正します。(2006/3/22)