Proventia M10
Proventia M10
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 インターネットセキュリティシステムズ(ISS)は,2004年2月から販売している統合セキュリティ装置「Proventia Mシリーズ」を強化し,プログラムの振る舞いを仮想的なコンピュータ上で観測することで未知のウイルスの感染を防止する機能「VPS」(Virus Prevention System)を追加した。2006年3月17日に,VPSを使うためのファームウエアの更新と技術サポートを開始した。Proventia Mが備えるウイルス対策機能を補完する。

 新機能VPSは,プログラムの振る舞いを実際に調べることで,パターン・ファイルがない未知のウイルスを検知する。メールの添付ファイルなどとして受け取ったプログラムを仮想的なコンピュータ空間上で実行し,その振る舞いを調べる。ウイルスに特有の振る舞いをしたプログラムはウイルスの可能性が高いため,隔離する。ウイルスの振る舞いとして,約800種類の感染方法を登録済みである。

 VPSは,パターン・ファイルと照らし合わせてウイルスかどうかを確定する一般的なウイルス対策機能を補完する技術である。未知のウイルスが登場してから該当するウイルスのパターン・ファイルが広まるまでには時間差が生じるため,ウイルスに感染する恐れがある。VPSによって,パターン・ファイルがまだ作られていない未知のウイルスから情報システムを守れるようになる。

 なお,Proventia Mは統合セキュリティ装置であり,ウイルス対策のほか,スパム対策,ファイアウォール,IPS(不正侵入防御),VPN(仮想閉域網),コンテンツ・フィルタリング機能を搭載する。