写真1 バンダイが6月に発売するキッズケータイ「papipo!」(写真はたまごっちバージョン)
写真1 バンダイが6月に発売するキッズケータイ「papipo!」(写真はたまごっちバージョン)
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写真2 左からバンダイの上野和典社長,CMキャラクターの三浦りさ子さん,ウィルコムの八剱洋一郎社長
写真2 左からバンダイの上野和典社長,CMキャラクターの三浦りさ子さん,ウィルコムの八剱洋一郎社長
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 ウィルコムとバンダイは3月16日,子供向けPHS端末「キッズケータイpapipo!」を6月に発売すると共同で発表した(写真1)。3月18日から専用Webサイトなどを通じて予約を受け付ける。価格はオープンだが,バンダイのWebサイトを通じた通販では1万4800円になる予定だ。

 両社は,新端末にはそれぞれの強みを結集させたとする。バンダイは,「エンターテインメントやキャラクター・コンテンツを充実させることで,子供が自ら進んで常に携帯したくなるようにした」(上野和典代表取締役社長,写真2)と,遊びのノウハウを注入したと強調。一方のウィルコムは,「電磁波の強さが携帯電話の20分の1から30分の1と低く,音質も携帯電話より良い」(ウィルコムの八剱洋一郎代表取締役社長)と,PHSの特徴そのものが強みになると説明した。出荷目標台数は,2007年3月までに20万台。

 選択できる料金プランは,月額2900円でウィルコム同士が定額の「ウィルコム定額プラン」と,月額基本料1029円で通話先が3件に限られる「通話相手先限定サービス」の2種類。別途,月額525円の「キッズスタジオ」に加入すれば,新端末専用の安心・安全サービスやコンテンツ・サービスを利用できる。

 キッズスタジオで提供する安心・安全サービスは,子どもからのメールにPHSの基地局情報を利用した位置情報が自動的に添付する「安心ココダヨ!メール」や,保護者からリクエスト・メールで自動的に子どもの位置情報をメール通知する「安心ドコカナ!メール」など。NTTドコモやKDDIの端末とは異なり,防犯ブザー機能は持たない。

通信機能を切り出した「W-SIM」採用で開発負担を軽減

 新端末は,ウィルコムの超小型カード型端末「W-SIM」を利用して開発した。バンダイは「遊びのノウハウはあるが,ハードウエアのノウハウは持っていない」(上野社長)からだ。

 バンダイは2002年から携帯電話型玩具を販売。女児向けの「メルプチ」シリーズは,80万台を販売するベストセラー商品になっている。「友達や父母と通信できるような,本物の携帯電話機能が欲しいという要望を頂いていた」(上野社長)が,ノウハウ不足で開発に踏み切れずにいた。そこで目を付けたのが,ウィルコムのW-SIM。無線通信機能を開発する必要がないため,「W-SIMの仕様を開示してもらったほかは,ほとんどを自社のみで開発できた」(同)としている。