写真:SCEの久多良木健社長兼CEO
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図1:ヨーロッパ地域におけるPS2の売り上げの推移。PS1発売当初の売り上げ推移よりも好調であるという。
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図2:世界各国におけるPS1/PS2の家庭普及率。青色がPS1,赤色がPS2である。
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 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は3月15日,東京都内でソフトウエア・メーカーや報道機関向けに発表会「PlayStation Business Briefing 2006 March」を開催した。PlayStation 3(PS3)の出荷計画や機能,PS3の出荷と同時に開始する新しいネットワーク・サービス,PSP(プレイステーション・ポータブル)の機能拡張計画---などを明らかにした。同社社長兼CEOである久多良木 健氏(写真)によるプレゼンテーションの全貌を,スライドを交えて詳しくお伝えしよう。

PS2の普及率が低かった欧州でも売れ行き好調

 久多良木氏はまず,現行ゲーム機「PlayStation 2(PS2)」の現状について報告した。PS2は発売から6年間に1億台が売れ,ゲーム・タイトルは世界で6732タイトル,販売本数で10億本を超えたという。現在,PS2の売れ行きが最も好調なのは欧州地域(PAL形式でテレビ放送をしている地域)だ。

 図1はPAL地域におけるPS2の売り上げ(赤色のグラフ)の推移を示したもの。横軸は「発売から経過した月数」である。青色のグラフで示されている初代「PlayStation(PS1)」の発売当初の売れ行きを,PS2の売れ行きが大幅に上回っていることが分かる。欧州でPS2の販売が好調なのは,これらの地域におけるPS2の普及率がそもそも低いことにあるようだ。図2は世界各国におけるPS1/PS2の家庭普及率を示したグラフである(青色はPS1で赤色はPS2)。PS2の普及率は日本で41%,米国では32%。しかし,欧州大陸におけるPS2の普及率は,フランスで20%,スカンディナビア地域が16%,イタリアが14%,ドイツが10%と低い。これらの地域はPS1の普及率も低いので,元々PlayStationが苦戦していた地域と言えるが,欧州でもPS2の売れ行きが好調になっていることを,久多良木氏は強調したわけだ。